桜の木の下で

 桜の名所まで3駅ほど。せいぜい3畝ほどの公園は、密生した桜の古木と酒の勢いを借りて他人のテリトリー空間を侵犯する人ごみでごった返していた。山手の方には、ぽつねんと佇む自生桜が際立つ。そんな中、たこ焼きと焼き鳥をつまみながら、ビール。あんまり落ち着かないので、梅が枝餅をお土産に早々に引き上げる。中途、もうひとつの桜の名所の近くでコーヒーを飲みながら本を読む。日の光が首根っこを捉える時間帯にもかかわらず、浮ついた空気があちらこちらに漂う。ビールのせいか、花粉症の薬のせいか、頭が朦朧とする。春だ。ファック。