親知らずのご機嫌を伺う日々。下かと思ったら上のほうが来た。噛み合わせ悪し。
支倉逸人『検死秘録』はおもしろかった。実名は伏せられているが、世界で最も不自由だったカリスマロック歌手や奥さんを主演に立てて暴力団批判の映画や国税局の査察を扱った映画を撮ったあの監督を検死した話だとか。周囲の横槍がほんのちょっと入っただけで、凡庸な死が謎の死ということにされてしまう。
他ではDNA鑑定に関する本がよかった。DNA鑑定導入以前は血液鑑定が主流だった。キナクリン試薬を血液に投与すると、Y染色体の塩基性の強い部分に作用し(?)、男女を判別できるらしい。ところが、骨髄移植を受けた被験者の血液に試薬をかけると、ドナーが男で、被験者が女だとしても、ドナーと同じ性別という判定がでる。今はもうDNA鑑定が確立しているので、そんな不思議なことにはもちろんならない。
それから緊急避妊。性交後72時間以内に中用量のピルを2錠、その12時間後にもう2錠服用することで、子宮内膜に精子が着床するのを防ぐことができる。成功率は75〜95パーセント。少子化傾向に拍車がかかるので、いい大人は真似しないように。
プロレス 下流地帯 (別冊宝島 1599 ノンフィクション)
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目玉その一は、まだ試合もしていないのに一ヶ月で一億円を散財したWJの殿様経営。忘年会では屋形船を貸しきってお土産に二万円もする高級マスクメロンを参加者に配り、一晩で五百万を蕩尽した。追加の一億もあっという間に使い切り、七か月で赤字は三億円。バブル気分か。記事のあと、ほぼ同じ内容の劇画が続き、悲劇の度合いは倍増する。
そして、カシンの実家の養豚場で働く安田忠夫。いろいろありました。全部忘れたかのように豚を抱く安田の笑顔が美しい。本業はこっちでプロレスはバイトなのだとか。プロレスに「就職」したサラリーマン・ジャンボ鶴田の時代はとっくに終わり、「プロレスはバイト」の時代が幕を開けたということか。ところでカシンはどこにいったのだ。