今日もいい天気

 ウクライナvsサウジアラビア戦を見ながら読書、その他。梅雨入りしてからというものの、まるで雨が降る気配が無い。梅雨入りするまでの降雨量からいっても、野菜の価格の安定傾向からいっても、もう梅雨は終わったんじゃなかろうか。晩はボラの刺身とオカラを使った炒め物。今日は野菜が安かったので、大助かり。

アメリカ文学の主流といわれる作家たちに、ナルシス的なテーマを見出し、分析していく章とカーヴァーやキンケイドを扱ったややライトなエッセーが綴られる章とをまとめた本。アメリカ白人の主流文学は、それ以外の移民やマイノリティたちを周縁化し、他者化してきたうんぬんかんぬん言われるけども、それはそもそも自己が一枚岩的にがっちりしていないとできないはず。実のところ、アメリカ白人主流文学には、そういうかっちりした自己ではなくて、自己をゆるがせる内なる他者を抱えた不安定な自己がたくさん描かれている、というのが本書全体に通底する主張。キンケイドの『小さな場所』をどう教えたらいいのかという問題を軸に展開される章やハックの異装を扱った章が特に面白かった。発展型ではなく並列型であるうえに、金太郎飴になりがちなテーマを扱っているのだけれども、そこは著者の腕の見せ所。「本当の私」の存在をアメリカ文学のキャノン作家が信じていたかどうか。キャノンの選定が恣意的だとかいう前に、キャノン自体が内的に揺らいでいる瞬間を切り取る著者の筆致は、温かくも鋭い。

[追記] スペインvsチュニジア。前半は料理作りながら、耳で「見ていた」ので、内容までは分からず。それにしても、チュニジアはいいチームだった。展開も作戦通りだっただろう。しかし、スペインの華麗なサッカーは、チュニジアのカウンターサッカーを後半粉砕する。この辺は、タレントの差だろう。ホアキンの投入が利いたか。ラウールらしい嗅覚のゴールにトーレスの技ありゴール。トーレスが一対一を外したのはまあご愛嬌。PKでお返し。今回のスペインは一味違う。優勝候補の一角を確実に担う。アルゼンチン共々、応援している。