初日

 朝方、関空までリムジンバスで移動。為替レートを確認。事前にやっておいた両替で3万ほど損していることに気付き、ややへこむ。液体検査があるもチェック緩し。ルフトハンザ航空10:40発で人生初の国境線越えを果たす。ぱちぱち。機中、手持ち無沙汰に苦しむ。軽量化を目指すのはいいが、本ぐらい持ってこよう。かつてないほど日刊スポーツを丁寧に精読する。途中三食。三食目の「うなぎorチキン」のチョイスで日本人のほとんどがチキンを選んだせいで、後方の我々は選択の余地なくチキン。ドイツ人のアテンダントが、何故か少々キレ気味にチキンを配膳していく。日本人よ、うなぎを食え、ということか。右手に氷河が見える。ロシア周辺から北欧付近を通過し、ドイツへ。エコノミークラス症候群を2度も克服した「スシボンバー」のことを心の中で反芻しながらなんとか乗り切ると、眼下に中継点かつ「スシボンバー」の拠点フランクフルトの町が見える。フランクフルトで乗り継ぎ。EUのチェックは日本出発時よりもやや厳しい。ここぞとニコチンを補給。ドイツの空港は、ガラス張りの部屋で見世物状態になる日本ほど喫煙者隔離が為されていない。いいぞ、ドイツ。小一時間ほど滞在して、空路、ローマはダ・ヴィンチ空港へ。現地時間18:15到着(日本時間26:15)。
 途中、前政権の施策で唯一評判がいいと聞く「禁煙法」についての表示も。喫煙禁止の場所でタバコを吸うと50ユーロ以上の罰金。近くに12歳以下の子供や妊娠中のご婦人がいた場合、さらに倍。しかし、後に理解するが、イタリア全土でタバコを吸ってはいけないのは、屋根の下だけ。青空の下ならば、どんな場所で吸おうとお咎めは無い(例えば公共の施設内であろうと、中庭ならば吸ってもOK)。もちろん、飲食店の内部は全面禁煙。しかし、道端に椅子や机を並べたテラス席(チャージがいくらかかかる)がローマではだいたい設けてあるし、なくとも吸いたくなったら路上で吸えばよろしい。
 空港からテルミニ駅まで特急で。スリ頻発との情報を胸に警戒態勢を崩さず。イタリアの列車もちゃんと定刻どおりやってくる。テルミニ駅に降り立つ。そんなに大きな駅ではない。しかし、スリ多発地帯なのでフンドシ締めなおす。警官の数も多い。警官3人組にホテルまでの道案内を頼むと、約一名英語がぎりぎりできる方が。片言ではあるが、そんなこんなで理解できてしまうのが人間か。荷物を転がしながら、「オテル・アルキメデ」へ。太陽が燦燦と照りつける地中海の国イタリアならではの明るいお出迎えがあるかと思いきや、フロントのイタリア男子大変愛想が悪い。キーをもらって部屋へ。疲れはピーク。ところがこの鍵、「ホワイトキー」ではなかった(古い)。開かない。鍵がぐるぐる回る。壊れてるんじゃないの、と苦情を言いに行くこと二度。ようやくフロントのイタリア男子やってくる。左へ15度ほど回し、一旦止め、力を入れて押しながら回すと開く。そんなん分かるわけねえじゃん。ま、英語が通じるのでよしとする。フロントの内線番号を聞き、笑顔で別れる。中に入るとなんともゴージャス!お湯は出るし、ドライヤーなどの設備もばっちり。シャワーの脇にあるタオルかけは、ガスの余熱か何かで常時熱くなっており、下着類を洗ってかけておくと翌日には乾いている。便利。格安パックなのに4つ星なんて泊まってもいいんですか。夜も遅く疲れているので、テルミニ駅地下のスーパーマーケットで買出し。ここは事前の情報どおり安い。水も1リットル1ユーロ未満で売っている。ワインやらなんやら買いこんで、部屋で乾杯。22:00過ぎ就寝。