風音

 今日はガストで心の洗濯。どんな趣向か知らないが、店内にはリストの楽曲が流れ、店員さんは執事然とした中年のジェントルマン。執事カフェ路線なのか。
 
 

風音―The Crying Wind

風音―The Crying Wind

 同名短編を映画化に際して脚本に直し、それを小説化する、という複雑な経緯を辿った小説。声にならない思念が音となって吹き抜けていく、そんな物語。いろいろ不満はあるが、アイディアは文句のつけようがない。「骨音」などもそうだが、音は不気味さを喚起する。ホラー物ではないが。

 

魔法ファンタジーの世界 (岩波新書)

魔法ファンタジーの世界 (岩波新書)

 ファンタジー物の枠組みや約束事を解説した本。安易な懲らしめや単純な勧善懲悪を徹底的に拒絶するところが著者のユニークなところか。やっぱりというかなんというか、ヨーロッパのフォークロアや古典文学はイメージの宝庫なのだなあ、と。『ロード・オブ・ザ・リング』に『ベオウルフ』の影響があるというような指摘は、ファンタジー小説を研究している専門家ならでは。映像化に対する拒否反応があるようで、いまや完全に一大潮流を形成しているファンタジー映画を一顧だにしない姿勢が少し気になる。

 他では最近、たとえばこんなものも読んだりした。今、気付いたが、これ "Ear" のaが左右反転しているなあ。 "inverted cripple"か。ああ、それで他者の耳か。aって耳の形にも似ているな。
 

The Ear of the Other: Otobiography, Transference, Translation

The Ear of the Other: Otobiography, Transference, Translation

アメリカひじき・火垂るの墓 (新潮文庫)

アメリカひじき・火垂るの墓 (新潮文庫)