エロとエコの漸近線的関係

 読書、その他。梗概を仕上げる。嫁が飲みに出たので弁当とカツオのたたきをビールで流し込む。プレミアのアーセナルの試合とCLのレアルの試合を堪能。
 ディープインパクトから禁止薬物が検出されたらしい。なんでも気管支系の薬物らしい。今のところ故意ではないようなので、(失格処分は必然としても)大勢に影響はないのだろうが、それでも突然の水入りの観は否めない。薬物検査の世界標準を設定するという問題もあるし、フランス側の陰謀説というのも決して無視できない信憑性をもっているように感じる。しかし、本当の問題は、あれほど付きっきりで調教助手が世話をしていたのにこういうスキャンダルが出てくるということにこそあるのではないか。調教師本人も、数度渡仏して、ディープの状態を確認している。医師が診察する場合、確実に調教助手が立ち会っているはずで、なんらかの薬物が処方される場合、調教助手並びに調教師の確認のもとに処方されただろうと推測される。医師が無断で薬物を投与する可能性がゼロではないにしても、今回の一件の主因として可能性がもっとも高いのは調教助手並びに調教師の判断ミスであろうと思われる。JRAがこの一件を「汚点として表現」し、「ディープを切り捨てた」というような報道が一部でなされているが、全くのお門違いというほかない。一過性のブームに乗っかり部数を維持したい新聞側の事情は理解するとしても、あまり安易にディープ陣営擁護に走るのはいただけない。人間のドーピングと違って競技者たる競走馬に責任がないだけに、それを取り巻く陣営の管理体制を問題にする必要性はいっそう高いと思われる。
 で、追加情報。なるほど、やっぱりね→http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20061021k0000m050071000c.html
 
 
 10月19日付けの毎日新聞の夕刊、荻原魚雷の週刊エッセー「そのほかのニュース」は面白かった。この欄、最近週刊誌で話題のブームを紹介し、チャチャを入れるというのがその趣旨で、今回の標的は『エロコト』。俗に言う「ロハス」(Lifestyles Of Health And Sustainability 健康と地球の持続可能性を志向するライフスタイル)の雑誌『ソトコト』の増刊として『エロコト』が創刊され、その編集長・坂本龍一いわく「エロはエコ」なのだと。「エロい女は、その存在そのものがエコである」という「エロコト宣言」に始まり、持続可能性のためには「エロ」が必要だと力説し、「ロハス」普及のためにも「エロ」は必要だと鼻息荒い。プチインテリが主流を成すロハスピープルの底辺拡大のために、「エロ」を利用しようという半ばご都合主義的発想なのか。なんでも編集に携わった月本裕氏によると、『エロコト』は「エロくかっこよく、デザインも優れた雑誌、エロについて考えることのできる雑誌であると同時に、欲情することもできる雑誌」なのだそうだ。「ロハス」はどこいった。要はちょっと高尚なエロ本か。ちなみに、「ロハスピープルのあいだでは、『ポリネシアンセックス』が人気」なのだと。人間、俗っぽさを脱して聖域を極限まで極めたら、一巡りして俗界に回帰してくるということか。エロテロリズムエコテロリズムは、こうして人目を憚らず、堂々と抱き合うことができるわけだ。エロ万歳。
 おっと萩原魚雷もブログをやっているようだ。→http://gyorai.blogspot.com/