アンリその2

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 国内統一の言語/思想としての「国語」と植民地支配の戦略や帝国日本の文化的宣伝媒体として使われる「日本語」とを分節化して、明治以降の日本における言語とナショナリズムの結婚関係を概略した本。方言に正統的「国語」の起源を見出すと同時に、それを異端の言語として排除するという二枚舌、そして同様に植民地で独自の発展を遂げていく「日本語」に対する「国語」側のアンビバレントな対応。しかし「国語/日本語」うんぬんかんぬん以前に、戦前まで、何をもって「国語/日本語」とするのか、意見の集約が十分にできていなかった裏事情が面白い。そして、帝国日本がイデオロギー装置として国民国家の立ち上げに利用した「国語/日本語」の「配電システム」(Benedict Anderson)が、他ならぬ被植民地・韓国において戦後流用されていくという分析など目から鱗。なかなかこういう切り口の本はないので、言語ナショナリズム/文化帝国主義の切り方として大変参考になった次第。