ミドルズブラvsアーセナル

 エヴァートンvsリヴァプールの退屈な試合(0-0)を見た後のエキサイティングなゲーム。共に年明け後公式戦無敗。若干36歳、サウスゲートに率いられた「ボロ」に、艱難辛苦のウッドゲートがいるというのは知らなかった。最近では韓国代表FW、イ・ドングクが加入したというのが最もホットな話題。胸板厚いヤクブと屈指の名ポストプレイヤー・ヴィドゥカの2トップは脅威。対するアーセナルは、リュングベリ、エブエに続いてファン・ペルシ骨折という悪夢のようなニュース。ますますアンリ偏重の予感。前半は両者互角。しかし、後半に入るとパス交換の精度を研ぎ澄ましてきたアーセナルが徐々に中盤を支配、対するボロが2トップを起点にカウンターを狙う展開に。ボロが、ヴィドゥカの驚異のポストプレーや左サイド・ダウニングの崩しから何度もチャンスを作るも、レーマンコロ・トゥーレの粘りの前に得点するまでは至らない。そのうちアーセナルが点を取ってしまうんだろうなあ、と思われた後半の半ば、何かの弾みで抜け出したヤクブをセンデロスがPエリア内で後ろから倒してしまう。一発退場&PK。ヤクブが落ち着いてゴール左隅に決める。しかし、これがドラマその1なら、この試合にはもう一つドラマが用意されていた。残り時間も僅かとなってボロの逃げ切り濃厚の局面で、ボロの攻撃を凌いだレーマン。ボールをスローするとき、Pエリアから出てしまい、おっとっと。しかしお咎めはなく、そのままスローが中盤に渡り、アデバヨールにロングボールが上がり、落としたボールをアンリがちょちょいとゴール。あれよあれよの同点劇。あれ絶対出てたよなあ。1−1で両チーム年明け無敗は継続。ところでアンリ。もはや完全復調。アンリがボールを持つと誰も取りに行かない。取りに行くと交わされるからだ。なのでアンリがボールを持つと時間が止まる。ロシツキーとのワンツーに至ってはもっと悲惨。アンリにボールが返ってくるのが分かっていてもDFは止められない。だって速過ぎるのだもの、足が。一人で何かしてしまうスーパーな選手。解説は「異次元」だと言っていた。まあ、そんな選手がいても勝てないのがサッカー。