気力だけはいつも充実

 結局、台風は不能っぷりを如何なく発揮し、朝方には暴風域が消えているという始末。ということで、泣く泣く侍氏も奥方も出勤。私ものこのこ侍氏の勤務先までお供するという珍妙な事態に。奥方の嫉妬の視線をひしひしと感じながら、歓待に感謝しつつ出発。お世話になりました。
 一時間ほど侍氏の素敵な研究室で読書して、台風一過とは言い難い、中途半端な影響を残した悪天候の下を、ヴィヴィオで駆ける。中途、ハイドロ何とか現象で白い跳ね馬がグリップを失い、あわやお陀仏という危機を、侍氏のドライビングテクニックで切り抜けるというドラマもありつつ、何事もなく目的地付近で買出しに。そこで合流したベル木くんの、勤労意欲を掻き立てるために買ったという新車の凄さを走行中の静謐さに体感しながら到着。
 ほどなくして残りのメンバーも合流、室内練習場でキックオフ。どうやらハイドロ何とか現象は私の体にこそ根を張っていたようで、グリップを失い、こけにこける。膝小僧をすりむくのがいい思い出になるのも、10代までが限度。ハートの皮膜がずる剥けになる。ここがハイウェイでなくてよかった。とりあえず、4時間(擬似)フットサルをやったという事実を、なけなしの存在証明として抱擁し、その栄光を汚すような記憶はさくさくデリート。
 すでに根治できないレベルのダメージとなっていたはずの体を温泉で癒しながら、「オレはまだやれる」と引退間際の相撲取りの心境で言い聞かす。願いが通じたか、夜は遅れて合流を果たした数名も加えた総勢10名で前人未踏の牛しゃぶ山を二つ踏破するという目標達成に僅かながら貢献し、バーチャルサッカーでは奥寺とカズがいるアナクロな日本チームをW杯に導く。ワッキー氏が抱えてやってきたマルチタップ2つ、コントローラー6つのおかげで、次々と脱落していく中最後まで残った4勇士の連携を早朝まで確認することができた。オランダに勝ったものの、得失点の差でグループリーグ敗退が決定し、昏倒。