Lacryma Christi del Vesuvio Rosso 2004

 駅の近くの酒屋さんで購入。品数は少ないながらもなかなかよい。
 カンパーニャ州ナポリ産「キリストの涙」という名前のワイン。ピエディロッソ100%。92点。こんな名前のバンドがいたような。同名で他の生産者も作っているようだが、これは90年代以降南イタリアのワインを世界的に広めた著名な生産者Feudi di San Gregorio(http://www.feudi.it/eng/intro.aspx)のもの(適当に選んだら、たまたま出会いました。ジャケ買いみたいなもんです。)。どうも他の生産者のものはいまいちらしいので、偶然ながら当たり。南イタリアのワインは初めてかもしれない。美しいルビーレッド。豊かに調和した渋みや酸味が味蕾を刺激し、口の中にじわっと広がる。かといって、脳髄に響き渡るような重さがあるわけでもなく、喉ごしはきわめてまろやか。脇固めを前方にくるっと回ってかわしたかと思ったら、木戸クラッチが待っている、そんな刹那。うーん。渋味を渋さでしか表現できないうちは、未熟者。味覚って、表象するのが一番難しい感覚かもしれん。