ノッチ似のオバマとオバマ似のノッチ

 カレーもようやく終わって、あんこうが非常に安かったのであんこう鍋。あんきもが鍋の中に消えて、醜い騒動になる。

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 オバマって自分でスピーチの原稿を書いているのだとか。自分で推敲して練りこんで自分の言葉にして語っているわけね。それにひきかえ、オバマ似のノッチは。やるんならもっと練って来なさい。「イエス、ウィー、キャン、イエス高須クリニック」とか。スピーチライターが必要なのはこっちだね。

チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599)

チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599)

チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600)

チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600)

 肥大化した心臓に対する外科手術、通称・バチスタ手術を受けた患者が手術中に連続して不審死を遂げる。大学病院内にしがらみのない田口に白羽の矢が当たり、調査が始まる。というような感じの極めてお堅いメディカルミステリ。
 下巻から登場するホームズ役の白鳥のキャラクターは出色の出来だと思うし、作者本人が現役の医師というだけあって、病院内部の人間模様やシステムの矛盾、権力争いといった大きな枠組みから、手術の手順、器具、用語といった細部に至るまで、リアリティの構築に関しては申し分ない。サスペンス、人間ドラマとしての完成度は高い。けれどそれだけだったら『ブラックジャックによろしく』で事足りると思う。
 謎の設定とその解決手順に魅力がない。心理分析の手法は斬新なのだが、結局あの先端機器の登場で全部片付いてしまう。白鳥が出てくるまで、読みつなぐのがかなりきつい。どうせなら手術中に腎臓が消えるとか、腎臓が増えるとか、それぐらいの破天荒な謎が欲しかったし、そうじゃないんだったらせめて解決の手続きに意外性が欲しかった。
 と、文句が言いたくなるのも、この人小説書くのがとにかくうまいから。ミステリが書きたい、というよりも、斯界の問題点を書いてみたいから作家になったんでしょうな。島田荘司にショベルカーでも借りてくるとか、天才外科医をサポートする人間が全部マフィアだったとかいう馳星周テイストを加えるとか、なにかこうヒヤヒヤする感じが欲しい。減点法だったらトップクラスだろうけど、加点法だったら落第、そんな優等生のミステリ。