超ジャリ

 かなり久しぶりにエアロスミスのライヴに行ってきた。いろんなところが痛い。
 客層が広い。上は70ぐらい、下は中高生。男女比は半々ぐらい。視聴率調査とか世論調査に使えそうなハコの中身だった。
 「ママキン」が締めだったと思うが、セットリストは→http://www.setlist.mx/?p=13233
 冒頭、スティーヴンの喉の調子はいまひとつだったように感じた。それでも尻上がりに調子は上がり、シャウトもよく跳ねていた。
 とりわけジョーイの豪快かつ繊細なドラムとスティーヴンのフロントマンシップは常人の想像力を遥かに凌ぐ。止まらない。踊りまくり、叫びまくり。ここは日本だからMCもほぼない。会場の雰囲気が格別だったせいか、各プレイヤーのソロを入れつつ、二時間半、24曲。スティーヴンは1948年生まれだから・・・計算ができないことにしておこう。アルフレッド・ジャリを超えたヒューマン・ダイナモ
 そんなスティーヴンが大暴れできるのもリズム隊の腕が(きっと)素晴らしいから。スティーヴンが"walk this way"を途中から半拍ずらして歌いはじめたときには鳥肌が立った。小難しいことはよくわからないが、ああ凄い。"dream on" も "mamakin"もすんごい。それから観客にリクエストを訊いてスティーヴンのサービス精神だけでやってくれた "crazy"。スティーヴンの声とジョーのギターのハモリは胸のあたりで今もリフレインしている。
 ライヴは音響の世界。歌詞のような記号とは別に、音楽には音韻と音響があるけども、つくづくわたしは音響が好きなのだなあ、と思う。ノーマルな音源よりもライヴ音源が好きだし。からだのなかに、心臓のものとは違う鼓動がいくつか同時に発生する、あの感覚は生じゃないと味わえない。
 2月にはメタルゴッドを看取りに行くことにする。チケットもまだ発売していないというのに、心臓のものとは違う動悸がすでにわたしの体を貫き始めている。体がもつだろうか。ちょっとした心配。