凱旋門賞ロンシャン競馬場。なんとディープインパクト、一番人気になったそうで。どうせ現地に行った日本人が大人気ない買い方をしているせいだとは思うのだけど。で、肝心の馬を見ると、ちょっと幅が出てきたというか、古馬の風格が出てきたというか。今が全盛期と考えて良さそう。気性も随分大人になった。かといって大人しいわけではなく、首をぐいぐい前に突き出しながら、闘志を内に秘める感じ。天気も晴れだというし、これなら確率的には50パーセントぐらいは勝てるチャンスがあるかなあ、と期待を持ってレースを見る。
 スタートはびっくりするぐらいの好スタート。前から3頭目のイン。たった8頭しかいないので、位置取りも何もないのだが、あんまり前に行くと目標にされやすいのが気にかかる。ペースは落ち着きそうだったので、この時点で良くも悪くもディープが展開の鍵を握る馬、つまり動くことで他の馬が仕掛ける基準となる馬になった。道中、若干前が詰まりそうになる局面もあったが、鞍上・武豊が無難にエスコート。最内からやや外目に。坂の登りも下りも無難にクリアし、最終コーナー前の直線もカカルことなくクリア。そして、550メートルほどの最後の直線に。やや馬が行きたそうなそぶりを見せるが鞍上が必死になだめ、残り300ほどでスパート。内の2頭を振り切るまでは織り込み済み。しかし、ディープの外からやってきた2頭に交わされる。3着。この2頭はディープの作るスリップストリームの恩恵に与った。しかし、まあ、これが競馬。自分から動いてレースを作り、交わしに行った馬はちゃんと交わしている。横綱相撲。一番強い競馬をした。相撲に勝って、勝負に負けたというやつですな。悔しいのは分かるが、武も例によってキレずに(インタヴューを殆ど無視)、堂々胸を張って帰ってきて欲しい。完璧に乗ったのだから。今後ですが、もう日本で走る意味は全くないので、海外のビッグレースをガンガン走って欲しい。JRA的にはそう問屋は卸さないのでしょうけど。それにしてもちゃんと飛びましたなあ、二重の意味で。