CL準々決勝、ローマvsマンU。ゼロトップシステムが円熟の域に達してきたローマ。長期のリーグ戦では決め手に欠ける印象だが、短期決戦ならばトッティを中心としたカウンターが怖い。一方のマンUは、怪我人続出でやや豪華な陣容に翳りが見えてきた。両サイドバックに加え、CBのヴィデッチまでもが離脱。守備に不安を抱える。開始早々からローマが攻勢をかける。防戦一方のマンUトッティがサイドに流れたり、中盤に吸収されたりしながら、流動的に波状攻撃を仕掛けてくる。中盤を掴まえきれないマンU。特にマンUの左サイドオシェイの周辺を徹底的に狙われる。前半残り10分でスコールズに2枚目のイエロー→退場。ローマ、右サイドを崩して1点。1点ビハンドのマンUは後半からロナウド1トップ、スールシャールルーニーを中盤に下げてカウンターを狙う。後半も圧倒的に攻めまくるローマだが、詰めが甘い。後半からマンUはほとんどサイドを捨てて、中央を固める感じ。マンUはカウンター一閃、ロナウドが中盤をドリブルで切り崩し、右サイドへ。クロスが上がり、中央に待ち構えていたルーニーが慎重に胸トラップ、冷静に狙いすまし、右隅に決めて同点。しかし、マンUのチャンスはこれっきり。ローマの怒涛の攻めが続く。ミドルシュートに応対したファン・デル・サールが弾いたこぼれ球を飛び込んできた誰かがダイレクトで決める。2−1。シュート数26-9。その通りの内容。メクセスを中心としたローマの守備陣は統制がとれていて、ちょっとやそっとでは崩れない。デ・ロッシらが献身的に走り回る中盤も然り。攻めはシンプルにゴールに向けてダイレクトプレイ。意思疎通ができているので、鮮やかにゴールに向かって少ないタッチ数でボールが回る。ロナウド対策は、リールのやり方を踏襲。ダブルチームでプレスをかけ、スペースを与えない。しかし、スペースを少しでも与えると、この試合のように決定的な仕事をされてしまうので注意。一方、マンUは次戦スコールズまでも欠く苦しい布陣。ピサーロが戻ってくるローマに比すると、マンUアウェイゴールを奪ったとはいえかなり苦しい状況なのは否めない。中盤の守備の立て直しが急務。次戦、オールド・トラッフォードが楽しみ。