ランボー

 もろもろ。金平。桃。暑い。『はだしのゲン』。

ランボー [DVD]

ランボー [DVD]

 なんだか最近のテレビは、戦争ものが多い。昨晩ぼんやり鑑賞。ベトナム戦争の帰還兵を主人公にして、ベトナム戦争アメリカ国民との関係を問い直す映画。1982年。
 ベトナム戦争の帰還兵を支援する団体の働きかけによって、1980年版DSM(3)にPTSDが記載された。今ではすっかりPTSDは普遍化し、ちょっと殴られただけでPTSDになったという人や、あるいはモノを落とす音だけでPTSDになったとまで主張する元女優までいたりして、ほとんど不幸を安売りするための道具となっている観すらある。しかし当時のPTSDは、肉体的損害に対する恩給が受けられない、心理的損害を被った帰還兵に対する補償に学術的後ろ盾を与えた、画期的な精神疾患だった。『ランボー』のドラマが単なる肉体的格闘のドラマではなく、心理的なドラマをちゃんと伏流させているのは、そういう時代背景に呼応してのことだろうと思う。
 あるいは、Richard Slotkinに倣って、ベトナム戦争に付与された「カウボーイ&インディアン」のモチーフをこの中に再発見することも可能だろうし、より普遍的なハンティングモチーフを読みこむのもありだと思う。ベトコンと戦ったグリーンベレーが、本国においてベトコン役を演じたり、光源を次々破壊していったり、ちょっとコミカルな州兵(?)の無能さを強調したり。原題は First Blood というらしく、ボクシング用語で「先に手を出しのはどっち」というような含意があるらしい。おまけに原作小説があったとは。知らなかった。