Offerings to the God of Speed

300<スリーハンドレッド>特別版(2枚組) [DVD]

300<スリーハンドレッド>特別版(2枚組) [DVD]

 観た。
 『世界最速のインディアン』。2005。「Burrn」のキャッチコピーみたいなタイトルだが、大真面目な映画。ときは60年代、ニュージーランドからやってきたある男が、アメリカに上陸、愛車「インディアン」で世界最速を目指すロードムービーアンソニー・ホプキンス主演。なんとなくかのレクター博士の残像をみてしまう私は悪い子。生き方も走りも真っ直ぐ。彼の前では、ルールは曲がり、心を閉ざして生きる人たちは心を開く。25年、脇道とは無縁の隔絶したマイウェイを突っ走っても、周囲の人々は彼の虜になる。中途半端に真っ直ぐだと人は寄り付かないけど、こんなに真っ直ぐすぎるおっさんは誰から見ても最高に格好いい。ヒッピー的な若者ライダーが死に絶える一方で、全く別ルートを地球の裏側で爆走していた老人が消え行くヒッピーの精神とどこかしら同期する偶然。とりあえず、まだ早いかもしれないけど、上半期の個人ベストに認定。どうでもいいが、ゴッドスピードっていう馬がいたな。
 『300』。2007。この手の映画はそれなりにおもしろい。オリエンタリズムまるだしのあれにイラン政府が抗議する気持ちもわからなくもないが、まあまあお馬鹿な映画ということで。もちろん、中世的な雰囲気の戦争映画(『ロブ・ロイ』とか)が好きなので、雰囲気はいいと思う。けど、映像美にこだわるのは分かるが、なんとなくいろいろくどいと思ってしまい、集中できなかった。