エヴァートンvsチェルシー

 今季のチェルシーはなんだかなあ、と高を括っていたら、どつきまわされたうえに、ジャイアントスイング世界新記録分回された、という強烈な試合。エヴァートンが大方の予想を覆し、善戦。チェルシーはテリーの負傷欠場が響き、DFラインが不安定でばたばた。案の定、Pエリア内で代役ブラルースがファウルを犯し、PK献上。きっちり決めたエヴァートンがリードを奪う。後半開始まもなく、バラックがPエリア手前中央の位置から壁の右頭上を迂回するFKを直接右隅にズドン、で同点。さあここから、チェルシーの独壇場になるかと思いきや、エヴァートンも必死に抗戦。抗戦どころか、右コーナーのクロスにヨボが競り勝ってゴール。またもやチェルシーが追う展開に。絶好調のマンUを追う立場のチェルシーとしてはここは離されたくないところ。しかし、いまいちチームの歯車は噛み合わない。ロッベンドログバもカルーもランパードも、寸でのところで跳ね返される。チェルシーは最近スタメン落ちの憂き目に遭っているシェフチェンコとブリッジを投入。反骨心に期待。この2人、空回り気味ではあったが、前がかりになる契機をもたらしたという意味ではなかなか良かった。シェフチェンコは積極的にゴールを狙う。ブリッジは左サイドで仕掛ける。しかし、なかなか追いつけないまま時間だけが過ぎていく。もうこのままかと思われた後半41分、左サイドからの並行パスをPエリア付近で受けたランパード、なぜかプレッシャーが一瞬遅れ、その隙に右足を一閃。アウトにかかったボールは唸りをあげ右ポストの内側とキーパーの手をかすめ、転々とゴールイン。その数分後、前線へのロングボールをPエリア手前で受けたドログバ、前を向くと冷静にキーパーのポジションを確かめ、右足を振りぬく。ドライブ回転のかかったボールは、キーパーの頭上を越え、ゴールに乾いた音を響かせる。このままタイムアップ。チームとしてあまりうまくいっていない上に、精神的支柱テリーの負傷という厳しい状況下、ワールドクラスの選手のこの力を端的に証明した格好。シェフチェンコバラックはさておき、驚異の運動量と破壊的なミドルを持つエッシェン、攻撃の起点かつFW級の得点能力を持つランパード、そして目下世界一の点取り屋といってもいいドログバの3人は凄すぎる。今年はマンUがこのまま走るんじゃないかと思っていたが、やっぱり本命はこのチームか。ごめんなさい。