- 作者: 石井洋二郎
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1997/08
- メディア: 新書
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本書はベンヤミン的、あるいは後期バルト的斜視を、観光都市パリへと向ける。
扱われるのは橋、壁、門、塔、街路、広場、地下、駅、墓地、といったトポスたち。
それぞれの章と場所は、本とパリを裁断する切れ目のように働く。パリの街を解剖学的にばらしていくと、ひとつひとつの器官を包む膜に突きあたる。ぬめりの不快、包まれることの快が頁を繰る手に広がっていく。
パリという都市は、人が住む街というだけではなく、人の住めない神話でもあるのだろう。
出発前に急いで少しだけ付け焼刃。