一文

 次の一文を要約せよ。
http://mainichi.jp/select/seiji/mod/archive/news/2007/10/20071018ddm010010095000c.html

第一条 この法律は、我が国がテロ対策海上阻止活動を行う諸外国の軍隊その他これに類する組織(以下「諸外国の軍隊等」という)に対し旧平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法(平成十三年法律第百十三号)に基づいて実施した海上自衛隊による給油その他の協力支援活動が国際的なテロリズムの防止及び根絶のための国際社会の取組に貢献し、国際連合安全保障理事会決議第千七百七十六号においてその貢献に対する評価が表明されたことを踏まえ、あわせて、平成十三年九月十一日にアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃によってもたらされている脅威(以下「テロ攻撃による脅威」という)がいまだ除去されていない現状において、同理事会決議第千三百六十八号、千三百七十三号その他の同理事会決議が国際連合のすべての加盟国に対し国際的なテロリズムの行為の防止等のために適切な措置をとることを求めていることを受けて、国際社会が国際的なテロリズムの防止及び根絶のための取組を継続し、その一環として、諸外国の軍隊等がテロ攻撃による脅威の除去に努めることにより国際連合憲章の目的の達成に寄与する活動を行っていること、及び同理事会決議第千七百七十六号において当該活動の継続的な実施の必要性が強調されていることにかんがみ、テロ対策海上阻止活動を行う諸外国の軍隊等に対し補給支援活動を実施することにより、我が国が国際的なテロリズムの防止及び根絶のための国際社会の取組に引き続き積極的かつ主体的に寄与し、もって我が国を含む国際社会の平和及び安全の確保に資することを目的とする。

 酸欠になりそうな、ジョイスでもフォークナーでもない、テロ特措法の第一条。
 モダニスト的審美眼の欠片も感じられないこの文章は、単にエクスキューズにエクスキューズを重ねて冗長になったというその帰結を、内容よりも形式において如実に白日の下にくどくどと曝しつつも、それでも我が国がアメリカの傘の下にいながらして安寧とかりそめの恒久平和を享受する特権に与るそのメリットと天秤にかけた場合、洋上のガソリンスタンドを維持することの論理的・倫理的正当性は脇においても、やはり当のガソリンスタンドを維持することこそが我が国の従属的主体性をいかんなく発揮する唯一の方途であるからして、ここは万難を拝し、もとい排し、サムおじさんの掌から零れ落ちる油の一滴でも頂戴できる可能性を公には否定しながら内心期待しつつ、テロリズムとの戦いよりも安保体制同盟関係、もとい共犯関係の維持・発展に傾きつつある議論の趨勢を、解決不能年金問題国際政治学者の見え透いた頭髪でカモフラージュしながら堂々と、いけしゃあしゃあと述べている。って何を?
 やっぱ負けた。